日日是中医学

頭巾山に登ってきました

2025年09月30日 11:56

 9/23に山岳会の仲間と頭巾山(美山町と名田庄村、京都府と福井県の県境)に登ってきました。美山町の登山口から登り県境を稜線歩きするとたくさんの山栗が落ちていました。落ちたばかりで、まだ、実がたくさんついていました。熊の大好物で、冬眠まえの重要な栄養源です。幸い、クマに遭遇することはなかったので、静かな稜線歩きを満喫できました。

 薬膳的には「栗」は「気」を補う食材です。「気」は生命活動を促し、免疫力、体力をつけます。胃腸を温めて元気にし、腎を補強する食材です。

 中医学でいう「腎」は生命の源をたくわえ、足腰を支えます。人生の年齢ごとのステージを決定し、脳脊髄や骨を作り、体と心の中心軸を支える作用があり、生命の連鎖に直接に深く関わっています。冬は人間も含めて生命を蓄え、春に備える大切な季節ですが、まさに、腎が中心になって支えます。

 ですから、栗は、これから冬ごもりする熊や動物にとって貴重な食べ物となります。人間にとっても秋冬に備えて腎の働きを高め、足腰をしっかり支える食材といえます。これは、長い経験則から得られた知識で、現代の栄養学、栄養分析だけでは、計り知れないものです。

 科学文明が発達して、現代人が何倍も古代人より優れているように錯覚してしまいますが、原始人から脳のレベルは変わっていないと解剖学者の養老先生がおっしゃっていました。高度な科学技術や機器がない分、知恵を絞って得られ、長い年月に渡って確かめられた知識はバカにできないどころか、優れたものが多いです